おはようございます!今日は、AIエージェントを「チームの一員」として迎える工夫から、AIの成果をどこまで「発見」と呼べるかという議論まで、AIとの付き合い方を考えさせられるニュースが届きました。OpenAIの新しい発表も続いています。10本まとめてお届けします!
AsanaはAIエージェントを「チームメイト」として運用、役割を絞り、記憶を共有し、作業を全員に見せる
Anthropic(AI「Claude」を開発する企業)の公式ブログで、Asana(仕事やプロジェクトを管理するツールを提供する企業)の最高プロダクト責任者、Arnab Bose氏が、Claudeで動くAIエージェントをAsanaがどう運用しているかを説明しています。Asanaはエージェントをチームメイトとして扱い、担当する役割の範囲を限定し、メモリ(記憶)を共有し、エージェントの作業をチーム全員が見られる形にしているそうです。記事のタイトルでは、こうしたエージェントを「コーチできる」存在と表現しています。
新しいメンバーを迎えるときに「何を担当してもらうか」「どの情報を共有するか」を決めるのと同じ準備が、AIにも要りそうですね。まずは自分がAIに頼んでいる作業を一つ選び、その担当範囲を一行で書き出してみてはいかがでしょう!
出典:Claude(Anthropic公式ブログ)
https://claude.com/blog/agents-you-can-coach-how-asana-builds-human-agent-teams-with-claude
GPT-6.1 SolがAmazon Bedrockで利用可能に、OpenAIによると開発タスクの評価でAstra並みを約5分の1の費用で
AWS(アマゾンのクラウドサービス)の公式ブログによると、OpenAIのAIモデル「GPT-6.1 Sol」が、Amazon Bedrock(AWSのAIサービス)で一般提供されました。OpenAIは、GPT-6 Astraに近い賢さを日常の業務に届けるモデルだと説明しています。同社によると、ソフトウェア開発の評価「DeepSWE v1.1」ではAstraと同等の成績を作業1件あたり約5分の1の費用で出し、透明性や、明示された制限を守る力などの評価でも前のGPT-6 Solより改善したそうです。Bedrockでは、推論に使ったデータがモデルの学習に使われません。
性能に対する費用が下がるほど、これまで任せるのをためらっていた作業も、AIに頼む候補に入ってきます。そのぶん、AIが「ここは進められない」と伝えてきたときに誰が引き取るかを、先に決めておくと安心ですね!
出典:AWS Machine Learning Blog
https://aws.amazon.com/blogs/machine-learning/bring-near-astra-intelligence-to-everyday-work-with-gpt-6-1-sol-on-amazon-bedrock/
AIで仕事を内製化する顧客に、外部の専門家はどう選ばれ続ける?MIT Sloan Management Reviewが3つの打ち手を提示
MIT Sloan Management Review(米MITの経営誌)に掲載された論考によると、生成AIの広がりで、企業がこれまで外部に頼んでいた法務や分析などの仕事を社内でこなし始め、仕事を失う外部の専門家が出ています。記事は、選ばれ続けるための打ち手を3つ挙げています。1つ目は、自動化の仕組みを整えて成果物1件あたりの費用を下げること。2つ目は、顧客がふだん使うツールに成果を直接届け、頼む手間を減らすこと(格付け会社のMoody’sは、分析結果をExcelなどの中に届けています)。3つ目は、AIで内製化すると生じる出力の確認や手直し、法令順守の負担を引き受けることです。
社内外を問わず「頼まれる仕事」をしている人には身近な話です。自分の成果物のうち、相手がAIで自作できそうなものはどれか、頼む手間や確認の負担をどれだけ減らせるかを書き出してみると、自分の価値の磨きどころが見えてきそうです。
出典:MIT Sloan Management Review
https://sloanreview.mit.edu/article/how-to-outcompete-your-clients-ai/
役に立つロボットは使う人を知ることから、Hello Robotのチャーリー・ケンプ氏がMITから「Stretch」までの歩みを語る
IEEE(米国の電気・電子技術の学会)のロボット紹介サイト「Robots Guide」に、Hello Robot(ロボット開発企業)の共同創業者で最高技術責任者(CTO)、チャーリー・ケンプ氏のプロフィール記事が掲載されました。ケンプ氏は、日常の作業を手伝い、人がより自立して暮らせるよう支えるロボットを開発しています。記事では、MITでの人工知能の研究から同社のロボット「Stretch」を作るまでの道のり、障害のある人々と一緒に取り組んだ経験が自身の進め方にどう影響したか、ロボット工学者を目指す人へのアドバイスを語っているそうです。
新しい道具やしくみを職場に取り入れるときも、作る側の都合より先に、使う人の困りごとを聞くことから始めたいですね。身近な同僚が毎日どこでつまずいているか、一度じっくり聞いてみると、改善のヒントが見つかるかもしれません。
出典:Robots Guide(IEEE)
https://robotsguide.com/learn/a-day-in-the-life-of-a-roboticist-charlie-kemp
Claude CodeなどのコーディングエージェントにGoogle Cloudの知識を、Googleが専用プラグインを発表
Publickey(IT系のニュースサイト)によると、Google Cloud(Googleのクラウドサービス)が「Google Cloud Developer Plugin for AI Coding Agents」を発表しました。Claude Codeなどのコーディングエージェント(プログラムを書く作業を進めてくれるAI)に、Google Cloudの専門知識やツールを組み込めるものです。Claude CodeやGoogle Antigravityなどはプログラミングに優れる一方、そのままではGoogle Cloudのサービスやその組み合わせ方の専門知識が十分でない、とされています。
どんなに優秀な人でも、職場のルールやよく使うシステムを知らなければ力を出しきれません。AIを仕事で使うときも、自分の職場ならではの知識や手順を渡す工夫をしてみると、答えの的確さがぐっと変わってきそうです。
出典:Publickey
https://www.publickey1.jp/blog/26/google_cloudgoogle_cloud_developer_plugin_for_ai_coding_agents.html
AIの成果は「発見」と呼べるのか?Anthropicの発表に生物学者から異論、MIT Technology Reviewが論点を整理
MIT Technology Review(米国の技術誌)のニュースレター記事によると、Anthropicは、Claudeのエージェントが問題を考え、人間の科学者が実験する分子生物学の研究室で初の発見があったと発表しました。同社によると、950のエージェントが21時間で、既知の酵素の周りに未記録の繰り返しパターンを見つけたそうです。生物学者からは、見つけるのは簡単な場合が多く、難しいのはその働きを突き止めることだと批判が出て、別の研究者は同じパターンを既に見つけていたと述べました。記事は、AI企業がAIを単なる道具でなく発見の主体として打ち出すことが、本物の進歩まで疑わせていると指摘します。
AIを使った成果を職場で報告するときも、「AIが見つけました」と言い切るより、AIが何をして人が何を確かめたかを分けて伝えるほうが、聞く側は納得しやすくなりそうです。自分の報告の仕方を一度見直してみませんか。
出典:MIT Technology Review
https://www.technologyreview.com/2026/09/28/1145230/when-can-we-say-ai-made-a-scientific-discovery/
OpenAIが開発者イベント「DevDay 2026」で20超を発表、GPT-6 AstraやCodexなど幅広く
OpenAI(ChatGPTを開発するAI企業)は公式サイトで、開発者向けイベント「DevDay 2026」での20を超える発表をまとめて紹介しています。発表には、GPT-6 Astra、ChatGPT、Codex(OpenAIのプログラミング支援AI)、API(外部のサービスからAIを呼び出すしくみ)、セキュリティ、作り手向けの新しいツールに関するものが含まれるそうです。
20を超える発表をすべて追う必要はありません。自分の仕事に関わりそうな分野を一つだけ選んで、何が変わったのかを確かめる。そんな「つまみ食い」の習慣が、変化の速いAIの情報とうまく付き合うコツになりそうです。
出典:OpenAI
https://openai.com/index/devday-2026-recap
OpenAIがAIアシスタント「Dots」を発表、裏側でアプリをまたいで作業し好みを学ぶ、MetaのMuseに対抗
The Vergeの報道によると、OpenAIがDevDayの基調講演で、エージェント型のAIアシスタント「Dots」を発表しました。Meta(Facebookなどを運営する企業)のAIアシスタント「Muse」に対抗するもので、常に動き続け、つながったアプリをまたいで裏側でほぼ何でもこなしながら、使う人の好みを学んでいくそうです。GPT-6 Astraで動き、専用のクラウド上のコンピューターからウェブブラウザや4,000以上の対応アプリにアクセスします。やりとりはメッセージアプリのような画面のほか、ChatGPTからの音声通話でもできるとのこと。
裏で動き続けるAIに、日々の細かな用事を任せられる時代が近づいています。任せるときは、どのアプリへの接続を許すか、何は必ず自分の目で確かめるかを先に決めておくと、便利さと安心を両立しやすくなりそうです!
出典:The Verge
https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/1002033/openai-dots-launch-muse-competitor
Microsoftが生物学向けのAI研究システム「Quine」を発表、膵臓がん研究で候補化合物の絞り込みを週末だけで
Microsoft Research(マイクロソフトの研究部門)が、生物学向けのAI研究システム「Quine」を発表しました。遺伝子やタンパク質、細胞の状態などをまとめて扱う生物学の「世界モデル」と、ツールや文献、研究者をつなぐしくみからなります。Broad Institute(MITとハーバード大学の研究所)との共同研究では、膵臓がんの細胞を治療に関わる状態へ変えると予測される化合物を数千の候補から絞り込み、上位の候補を実験で確かめました。絞り込みは週末だけで済んだそうです。ただし研究専用の実験的な技術で、臨床や医療には使えず、出力は不正確なこともあるため研究者の確認が必要です。
時間もお金もかかる実験の前に、AIで候補を絞ってから人が確かめる。この順番は研究以外の仕事にも使えそうです。企画のアイデアや提案先の候補をAIで先に洗い出し、確かめる時間を人がしっかり取る分担を試してみてはいかがでしょう。
出典:Microsoft Research Blog
https://www.microsoft.com/en-us/research/blog/introducing-quine-an-ai-research-system-designed-for-the-complexity-of-biology/
コーディングエージェントを前提に設計、NVIDIAがオープンソース「TensorRT Model Connect」開発の教訓を紹介
NVIDIA(半導体メーカー)の技術ブログによると、「TensorRT Model Connect」は、AIを高速に動かすための同社のソフトウェアTensorRTの上に作られた、C++(プログラミング言語)によるAIモデルの参照実装(お手本となるプログラム)を集めたオープンソースのプロジェクトです。コーディングエージェントを中心に据えて設計され、作業の並行化、モデルの系統ごとの切り分け、元に戻せる変更、GPUを使った検証によって形づくられたそうです。出発点は、TensorRTに詳しくないモデル開発者でも、NVIDIAのAI推論の性能を引き出せるようにできないかという問いだったとのこと。
AIに作業を任せるときは、同時に進められるよう仕事を分け、失敗してもすぐ戻せるようにし、結果を確かめる手段を先に用意しておく。この順番は、資料づくりなど普段の仕事にも、そのまま当てはめられそうですね。
出典:NVIDIA Technical Blog
https://developer.nvidia.com/blog/ai-native-by-design-lessons-learned-from-building-nvidia-tensorrt-model-connect/
今日のまとめ ~ AIに任せる範囲を決め、成果を正しく伝える
今日は、AIエージェントに役割を持たせて運用する事例や、Google Cloudの知識をコーディングエージェントに渡すプラグイン、エージェントを前提に作られたプロジェクトなど、AIを仕事の仲間として迎える準備に関わるニュースが並びました。一方で、AIが見つけたものを「発見」と呼べるのかという議論や、AIで仕事を内製化する顧客に外部の専門家がどう向き合うかという話題もありました。
これからの時代、大切なのは、
AIが仲間として加わるほど、任せ方と伝え方の工夫が、チームの仕事の質を左右していきます。今日はまず、AIに任せている作業を一つ選んで、その担当範囲を書き出してみましょう!


