「副業に興味はあるけど、何から始めればいいの？」「本業がおろそかになったらどうしよう」「自分のスキルって本当に通用するの？」——SNSで副業成功談を見かけるたびに、こんな風に思ったことはありませんか？
2025年の今、副業を取り巻く環境は大きく変化しています。単なる「お小遣い稼ぎ」から「キャリア形成の重要な手段」へと、副業の意味合いが根本的に変わってきているんです。
でも実際のところ、副業市場では何が起きているのでしょうか？今回は、最新のデータと事例を基に、副業ブームの実態と、これからの働き方について探ってみましょう。
副業市場の規模、実はこんなにすごい
まず驚くべき数字から。現在の正社員副業市場は約0.8兆円。そして専門家の予測では、10年後には約2.3兆円にまで拡大するといわれています。これって、めちゃくちゃ大きな数字ですよね。
でも、ここで面白いデータがあります。「副業をやってみたい」と思っている正社員は40.8%もいるのに、実際に副業をしている人はたったの7.0%。つまり、30ポイント以上のギャップがあるんです。
この数字が表しているのは、「やりたいけど、できない」人がめちゃくちゃ多いということ。理由はいろいろあるでしょうが、「どうやって始めればいいか分からない」「スキルに自信がない」「本業に影響が出そうで怖い」といった不安が大きいのかもしれません。
しかも、副業に対する考え方も大きく変わってきています。昔は「お小遣い稼ぎ」のイメージが強かった副業ですが、今は「キャリアアップの手段」として考える人が急増。つまり、副業1.0から副業2.0への進化が起きているんです。
企業側の本音 ~ なぜ副業人材を求めるのか
では、企業側から見るとどうでしょうか。最近の調査によると、企業が副業人材を受け入れる理由の1位は「迅速に人材確保が可能だから」（25.4%）。続いて「多様な人材確保が可能だから」（21.3%）、「高度なスキルをもった人材確保が可能だから」（18.3%）となっています。
特に注目すべきは、コロナ禍を経て、これまで外部人材の受け入れに消極的だった企業も、副業人材の活用に前向きになってきたこと。新しい領域への参入や事業の高度化が急務となる中、社内だけのリソースでは限界があると感じる企業が増えているんです。
実際、2023年度はビジネス環境の変化に対応すべく、新たな領域への参入・進出を試みる企業がこれまで以上に増加。外部からの人材の受け入れに積極的ではなかった企業においても、経験豊富で専門的なノウハウを有する副業人材の活用が広がりました。
しかも、今は完全に「買い手市場」。1つの案件に対して副業希望者が9.1倍も集まるという状況なので、企業にとっては優秀な人材を見つけやすい環境が整っています。
参照：
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/sidejob3.html
人気の副業分野とトレンド変化
2023年度に企業が副業人材を活用したテーマの上位は「マーケティング/PR」と「新規事業開発」。そして2024年度は、短期的なスポットコンサルから、中長期的な関係性を築くケースが大きく増えているのが特徴です。
業種別で見ると、1位は「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」。これらの企業は元々人材活用に慣れているため、副業人材の受け入れにも抵抗がないことに加え、デジタル化やDX化が活発になっているため、エンジニアやPMなどIT関連のスキルを持つ副業人材の需要が高まっています。
興味深いのは3位の「建設・プラント・不動産」業界。2024年問題（働き方改革関連法の適用）を受け、施工現場での業務効率化や人事制度の見直しが急務となり、これまで副業とは縁遠かった業界でも外部人材の活用が進んでいるんです。
参照：
https://hipro-job.jp/newsroom/pressrelease/20240326-01/
副業する人が周りに与える影響
個人にとって副業にはどんなメリットがあるのでしょうか。興味深い調査結果があります。副業者と一緒に働いた本業メンバーの61.7%が「何らかの効果があった」と回答。具体的には「視野の拡大」（25.1%）、「経験がないことへのチャレンジ意欲向上」（14.7%）、「変化を前向きに捉えること」（14.3%）など。
つまり、副業って本人だけじゃなく、周りの人にも良い影響を与えるんです。新しい視点や経験を持ち帰ることで、職場全体が活性化するという好循環が生まれているわけですね。
別の調査では、ビジネスパーソンの7割が「成長のために仕事をしたい」と思っている一方で、3割が「スキルに不安がある」と感じているという結果も。多くの人が成長意欲を持ちながらも、現在の職場だけでは物足りなさを感じているということです。
参照：
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/sidejob3.html
新しいサポートサービスの登場
こうした背景の中、副業を支援するサービスも進化しています。従来の単純なマッチング型から、「伴走型」と呼ばれる新しいスタイルが注目を集めているんです。
例えば、文具メーカーのコクヨが2025年6月に開始した「伴走型複業エージェントサービス」。単に案件を紹介するだけでなく、複業期間中にアセスメント（能力測定）やメンタリング（相談・指導）を提供して、利用者の成長度合いやスキルセットを見える化してくれます。
同社は以前から社内複業制度「20％チャレンジ」や企業間協働プログラム「pandoor（パンドア）」を通じて実証実験を重ねており、そのノウハウを活かしたサービス展開が話題になっています。
このように、単発的な「副業マッチング」から、継続的な「キャリア支援」へとサービスの性質が変化してきているのが、2025年の大きなトレンドといえるでしょう。
参照：
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001084.000048998.html
2025年以降の副業市場予測
専門家の予測によると、2024年度は副業のスタイルが大きく変わる転換点になりそうです。これまでの短期契約中心から、企業と個人が互いのフィット感を確認した上で、中長期的に関わり合うケースが増えると予想されています。
特に「新規事業」分野での需要拡大が見込まれていて、単なるアドバイザー的な役割を超えて、プロジェクトを主導する重要なポジションを任されるケースも増えてきています。これって、副業人材にとってはより責任のある、やりがいのある仕事ができるということですよね。
また注目すべきは、企業間で副業人材を相互に活用する動きです。「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」では、参画企業間で相互副業を行う実証実験が行われるなど、企業同士が連携して人材を活用する新しいモデルが生まれています。
副業で変わる日本の労働市場
副業推進の影響は、個人や企業レベルを超えて、日本全体の労働市場にも及びそうです。専門機関の試算によると、副業が普及することで、2035年には1日当たり290万時間分の労働力増加が期待されるとか。
でも、単純に働く時間が増えるだけじゃありません。副業を通じて多様な経験を積んだ人材が増えることで、日本全体の労働生産性向上にもつながる可能性があるんです。これって、人手不足に悩む日本にとっては、かなり重要な変化ですよね。
実際、62.0%の企業が「人材不足」と回答している現状を考えると、副業人材の活用は単なるトレンドを超えて、経営戦略上の必須要素になりつつあります。
始める前に知っておきたい注意点
もちろん、副業にはメリットだけでなく、注意すべき点もあります。
まず、本業の就業規則をしっかり確認することが大切。2018年の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」策定以降、副業を認める企業が70%、大企業に限ると84%まで増えていますが、まだ禁止している会社もありますし、許可制の場合もあります。
また、税務処理も複雑になります。副業で一定額以上稼ぐと確定申告が必要になりますし、社会保険の手続きも注意が必要。このあたりは事前にしっかり調べておきましょう。
時間管理も重要なポイント。本業に支障をきたさないよう、しっかりとスケジュール管理をする必要があります。「副業のせいで本業がおろそかになった」なんてことになったら本末転倒ですからね。
副業を始めるための具体的ステップ
では、実際に副業を始めるにはどうすればいいのでしょうか？
Step 1: 自己分析
まずは自分のスキルや経験を棚卸し。何ができて、何を学びたいのかを明確にしましょう。
Step 2: 目標設定
収入目標だけでなく、「どんな経験を積みたいか」「どんなスキルを身につけたいか」といったキャリア目標も設定することが大切。
Step 3: 情報収集
各種副業プラットフォームの特徴を調べて、自分に合ったサービスを選択。最近は「伴走型」サービスも増えているので、サポート内容もチェックポイントです。
Step 4: 実際の応募
プロフィールを充実させて、まずは小さな案件から始めてみましょう。
Step 5: 継続的な改善
経験を積みながら、自分の市場価値を高めていくことが重要です。
まとめ
2025年の副業市場は、単なる「お小遣い稼ぎ」の域を完全に超えて、「新しい働き方のスタンダード」になりつつあります。個人にとっては成長の機会、企業にとっては優秀な人材確保の手段として、その価値が広く認識されてきているんです。
特に注目すべきは、一時的な「お手伝い」から、継続的な「パートナーシップ」へと副業の性質が変化していること。そして、それを支援する「伴走型」サービスの登場により、副業初心者でも安心してチャレンジできる環境が整いつつあることです。
変化の激しい時代だからこそ、一つの会社、一つの仕事だけに依存するのではなく、複数の場所で自分の価値を発揮できるスキルと経験を身につけることが重要になってきています。
「自分のスキルを試してみたい」「新しい経験を積みたい」「もっと成長したい」——そんな気持ちを抱いている人にとって、今の副業ブームは大きなチャンスです。
もちろん、副業が全ての人に合うわけではありませんし、解決すべき課題もまだたくさんあります。でも、選択肢が増えることは確実にプラス。自分らしい働き方を見つけるための、新しい可能性の扉が開かれたといえるでしょう。
副業ブーム2025は、単なる一時的な流行ではありません。これからの働き方を根本的に変える「働き方革命」の最前線なんです。あなたも新しい働き方の波に乗ってみませんか？きっと今まで見えなかった自分の可能性が発見できるはずです。