「自分が好きなもの」について考えたことはありますか? 食べ物、趣味、スポーツ、キャラクター、音楽……どんな形であれ、“好き”という気持ちは私たちの心をポジティブにしてくれますよね。
では、その“好き”は日常生活やキャリア、人生においてどんな影響を与えるのでしょうか。この記事では、“好きなものが原動力になる”というテーマを掘り下げながら、好きという感情がもたらす可能性について考えていきたいと思います。
好きなものが人生を動かすって、本当?
よく「好きこそものの上手なれ」という言葉を耳にします。好きだと感じることは、時間を忘れて打ち込めるし、周囲から見れば大変そうに見える作業でも本人には苦にならないことが多いものです。さらに夢中になれる分野では、疑問に思ったことをすぐに調べるなど、自然とインプットとアウトプットのサイクルをまわす力が働きます。そうしたポジティブな循環が積み重なり、やがては何らかの形で“成果”に結びつくことも少なくありません。
一方で、「好きなことを見つけたい」「好きと仕事を結びつけたい」と思っても、実際はなかなか行動に移せなかったり、そもそも自分の“好き”がわからないと感じたりする人も多いでしょう。こうしたジレンマは、現代社会における大きなテーマのひとつです。でも、もしかすると私たちは、すでに“好き”のヒントを日々の中に見逃しているだけかもしれません。
“好き”は成長の燃料にもなる
褒められると“もっとやりたい”が生まれる
誰かに「すごいね」「いいじゃない!」と言われると、少し照れながらもやる気が出る――そんな経験、ありませんか? 人間は褒められると喜びが増す生き物です。とくに子どもの頃に「面白いよ」「もっとやりなよ」と周囲の大人や友達から後押しされると、その好きなものに積極的に取り組もうとする意欲がどんどん高まっていきます。
実際に“お魚大好き”キャラクターでおなじみのさかなクンも、幼い頃から家族に絵を褒められたり、興味を示す生き物について「すごいね!」と言ってもらったりした経験が、のちの大きな成長へとつながったそうです。興味や好奇心にストッパーをかけられることなく、「もっとやっていいんだ!」と背中を押されると、好きなことをとことん追求しようというエネルギーが湧いてきますよね。

好奇心はときに新たな道を切り拓く
好きなことに集中していると、自然に深い知識を得たり、関連する分野にも興味が広がったりします。好きな音楽を聴くだけだったのに、自分で演奏してみたくなる。あるいはスポーツ観戦が好きだったのに、自分もプレーしてみたくなる――そんなふうに、好きが次のアクションを誘発していくケースは多いものです。そしてこのアクションが思わぬ人とのつながりや、新しい学び、キャリアの変化をもたらす可能性を秘めています。
好きを活かしたキャリアチェンジの可能性
5Mixで生まれた“好き”の再発見
「定年が近い」「キャリアを見直したい」。そんなタイミングで、自分が本当にやりたかったことに気づく人もいます。たとえば、複業キャリア支援プログラム「5Mix」を通じて、自分の“好き”を再発見した参加者の方のように。銀行員として長く勤めてきたものの、「実は自分はこれをやりたかったのかも」とメタバースの可能性に魅了され、起業につなげたという事例は印象的です。
このように、大人になってからも“好き”との出会いは突然訪れることがあります。年齢やキャリアを理由に「今さら」と諦めてしまう人もいるかもしれませんが、好きなことに情熱を注げるのは、若い人だけの特権ではありません。むしろ社会経験が増えている分、「自分の好きが社会にどう役立てるか」「どう広げていけるか」を冷静に判断できる利点があるとも言えます。

好きだからこそ続けられる、広げられる
仕事としてやっていくなら利益も必要ですが、単に「儲かりそうだから」と始めるのと、「好きだからどうしてもやりたい!」という気持ちで始めるのでは、続け方や事業の持続性、モチベーションの面で雲泥の差が生まれます。もちろん後者が絶対に成功するわけではありませんが、“好き”に裏打ちされた活動は試行錯誤や困難を乗り越える強さをもたらしてくれます。
好きなことが見つからない? そんなときのヒント
好きなことが見つからないと感じる人は少なくありません。そんなときは、以下のような視点を試してみてはいかがでしょうか。
- 小さなワクワクを拾いあげる
- たとえば雑誌やSNSを見ていて自然に「いいな」と思った瞬間、買い物のときに気になるアイテムがあったとき……これらはあなたの“興味の芽”かもしれません。大げさに考えず、小さなワクワクや「気になる」を大事にしてみましょう。
- 褒められたことに注目する
- 過去に「それ、うまいね」「センスあるね」と言われたことはありませんか? もしかすると、その分野にはあなたの得意や好きが隠れているかもしれません。褒められた経験は見過ごしがちなヒントです。
- 人に話してみる
- 自分だけで考えていても気づけないことは多いもの。友人や家族、SNSのコミュニティなど、話を聞いてくれる場所で「実は〇〇が気になるんだよね」と発信してみましょう。思わぬ共感や情報が得られて、自分の“好き”を再確認できるかもしれません。
- 憧れの人の真似をしてみる
- 憧れのタレント、スポーツ選手、クリエイター……その人が好きで続けていることや、日常的にやっていることにトライしてみるのも手。意外な楽しみを発見するきっかけになるかもしれません。
好きは宝物!誰もが持っている、自分らしさ
さかなクンのように子どもの頃からお魚に熱中できる人もいれば、大人になってからふと“好き”を見つける人もいます。どちらが正しいわけでもありません。大切なのは、「好き」を自分の中から見つけたとき、それをどう活かすかを考えること。そして、もし今すぐ見つからなくても焦る必要はなく、ふだんの生活の中で“小さな興味”を育てる習慣を持つことです。
好きなことは人生をカラフルに彩ってくれます。何より、自分がワクワクできる瞬間や「もっと知りたい」と思える感情が増えると、毎日にちょっとしたモチベーションをプラスできますよね。大きな成功や成果に直接つながらなくても、気づけば心に余裕ができて、人間関係や健康面でも良い影響が広がることは往々にしてあります。
まとめ
“好き”は決して特別な人だけのものではありません。たとえば、ほっとする飲み物やペットとの時間に幸せを感じるのも、一つの立派な“好き”。小さいか大きいかの違いこそあれ、誰しもが持っている宝物といえます。
- やりたいことしかやらない
- やれることしかやらない
- やるべきことしかやらない
複業キャリア支援プログラム「5Mix」のステップを借りるなら、まずは「やりたいことしかやらない」という姿勢で、自分の好きにどれだけ向き合えるかを試してみるのもいいかもしれません。それがやがて新しい仕事やプロジェクト、冒険につながっていくことだって十分にあり得ます。
もちろん、仕事や生活の制約、周囲との兼ね合いなど、“好き”だけで突き進むのは難しい側面もあります。それでも、自分が心から「面白い」「やりたい」と思うことに取り組むと、不思議な熱量が湧いてくるものです。そして、その熱量が困難を乗り越える力になることも多々あります。
あなたの“好き”は何でしょうか? もし「特にない」と思っているなら、ぜひ一度、ふだんの生活を振り返ってみてください。SNSでどんな投稿にいいねを押している? どんな話題を聞くと思わずテンションが上がる? そこにはきっと、意外な可能性が隠れています。
好きという感情は、人生を豊かにする原動力です。小さな一歩からでも構いません。自分の“好き”を探し、育て、もしチャンスがあれば形にしてみましょう。そうした積み重ねはきっと、あなたが思う以上に大きな未来を切り拓いてくれるはずです。
