「フリーランスになったはいいけど、営業なんてやったことがない…」そんな風に悩んでいませんか?実は、これってフリーランスあるあるの代表格なんです。会社員時代は誰かが仕事を取ってきてくれていたけれど、いざ独立してみると「あれ、どうやって仕事を見つけるの?」という現実にぶつかる人は少なくありません。
でも、安心してください。2025年現在、フリーランスの営業方法は多様化していて、昔ながらの「飛び込み営業」や「テレアポ攻撃」をしなくても、工夫次第で案件は十分に獲得できるんです。むしろ、AIやSNSといった新しいツールを味方につけた「スマートな営業」が主流になってきています。
この記事では、営業が苦手な人でも実践できる具体的な方法から、2025年最新のトレンドまで、フリーランスの案件獲得について網羅的にお話しします。きっと「これなら自分にもできそう!」と思える方法が見つかるはずです。
2025年のフリーランス市場、実は追い風が吹いてます
まず最初に、現在のフリーランス市場について少しお話ししましょう。実は今、フリーランスにとってはかなり追い風が吹いているんです。
国内のフリーランス人口は、2015年の640万人と比べ68.3%増の1,577万人になっているという調査結果もあります。コロナ禍をきっかけに、企業も個人も働き方を見直すようになり、フリーランスという選択肢がより一般的になってきました。
特に注目すべきは、フリーランスエンジニアの月額平均単価は75.5万円に達しているという点。在宅案件と常駐案件の報酬差もわずか1万円ということで、リモートワークでも高い報酬を狙えるチャンスが広がっています。
ただし、その一方で課題もあります。海外の調査では、「十分な仕事を見つけること」(66%)、「不規則な収入の管理」(62%)、「不規則な仕事の管理」(60%)といった悩みを抱えるフリーランサーが多いことも分かっています。つまり、市場は成長しているけれど、個人レベルでは戦略的なアプローチが必要だということですね。
「自分を商品として売り込む」って、具体的にどういうこと?
フリーランスの営業で最初に理解しておくべきなのは、「自分を商品として捉える」という考え方です。これ、最初は抵抗があるかもしれませんが、とても重要な視点なんです。
お店で商品を買うとき、私たちは何を基準に選んでいるでしょうか?品質、価格、デザイン、ブランド…さまざまな要素を総合的に判断していますよね。クライアントがフリーランスを選ぶときも、実は同じような判断をしているんです。
「この人に仕事を頼むとどんなメリットがあるのか?」「費用に見合った価値を提供してくれるのか?」「信頼できる人なのか?」といった疑問に対して、明確に答えられるようになることが営業の第一歩です。
営業を始める前の準備チェックリスト
営業活動を始める前に、最低限準備しておきたいものがあります:
資金面の準備
少なくとも半年分の生活費は確保しておきましょう。営業から案件獲得まで時間がかかることも多いので、焦らずに取り組めるだけの余裕は必要です。
情報収集
同業のフリーランスがどんな案件を受けているか、市場の相場はどのくらいかなど、業界の動向をリサーチしておきます。
人脈の棚卸し
会社員時代の同僚、上司、取引先など、仕事につながりそうな人脈を整理しておきましょう。意外な人から仕事をもらえることもあります。
ポートフォリオは「作品集」じゃなくて「営業ツール」
多くのフリーランスが勘違いしがちなのが、ポートフォリオの位置づけです。「過去の作品をきれいに並べればOK」と思っている人が多いのですが、実はポートフォリオは立派な営業ツールなんです。
転職活動用なのか、案件獲得用なのか、プロジェクト提案用なのかによって、見せ方は大きく変わります。どんなクライアントに見てもらいたいのかを考えて、その人たちが求めている情報を重点的に盛り込みましょう。「Webサイトを制作した」ではなく、「制作したWebサイトにより、コンバージョン率が15%向上した」というように、具体的な成果を数字で示すことが重要です。
- 目的を明確にする
- ターゲットを意識する
- 数字で成果を示す
例えば、Webデザイナーなら経歴、使えるツール、受賞歴、今後のビジョン、実際の作品(説明付き)などを含めたポートフォリオを用意します。さらに最近では、過去のクライアントからの推薦文を含めることで差別化を図るフリーランスも増えています。
大切なのは、ポートフォリオ自体も自分の作品の一部だと考えて、デザインやトンマナにこだわることです。そして可能であれば、客観的な評価として他者からの推薦文も加えることで、より説得力のあるポートフォリオになります。
SNS営業が新常識!「ソーシャルセリング」を味方につけよう
2025年の営業で絶対に無視できないのが、SNSを活用した「ソーシャルセリング」です。これはSNSを活用して顧客との接点を築き、信頼関係を構築して効率的に商談につなげる方法のことです。
ソーシャルセリングがなぜ注目されているのか
従来の営業手法が難しくなっている今、SNSを活用したアプローチが注目されています。特にコストがかからないという点が大きなメリット。無料のSNSプラットフォームを使うため、導入費用がほとんどかからず、個人でも始めやすいんです。
海外では既に実践的に使われていて、ソーシャルセリングの実践者は非実践者と比較して、販売機会は+45%・売上目標達成率は+51%・営業成績は+78%も高い成果を出しているという調査結果もあります。
プラットフォーム別の活用戦略
Twitter(X)
リアルタイム性が高く、業界の最新情報をシェアしたり、専門知識を発信したりするのに向いています。ハッシュタグを使って同業者とつながることも可能です。
画像中心のSNSで投稿が手軽で、一度の投稿で最大10枚の写真を載せることができ、投稿のキャプションも2200字まで書けるため、デザイナーなどビジュアル系の職種にぴったりです。
全世界で6億ユーザーに利用されている世界最大のビジネス特化型SNSで、特にBtoB案件の獲得に効果的です。
実名制で信頼性が高く、ビジネスコミュニティへの参加やイベント情報の収集に便利です。
重要なのは、どのプラットフォームでも「売り込み」ではなく「価値提供」を心がけることです。自分の専門知識をシェアしたり、業界の有益な情報を発信したりすることで、自然と信頼関係が築けます。
人脈づくりは「ギブ&ギブ」から始めよう
フリーランス白書2023によると、フリーランスの受注経路で最も多いのは「人脈(知人の紹介含む)」で全体の70.6%を占めているというデータがあります。つまり、人脈づくりは案件獲得の王道ルートということですね。
効果的なネットワーキング戦略
まずは自分から与える姿勢を大切にしましょう。見返りを求めず、相手のために何かをしてあげることから関係が始まります。相手に興味を持ち、理解しようと努めることが重要です。一方的に自分の話をするのではなく、相手の話に耳を傾けましょう。30秒程度で自分のビジネスを簡潔にアピールできる「エレベーターピッチ」を準備しておくと、名刺交換の際などに役立ちます。
実践的な人脈構築のテクニック
業界のセミナーや交流会に積極的に参加しましょう。オンラインイベントも増えているので、地方在住でも参加しやすくなっています。セミナーなどで質疑応答の時間があれば、積極的に質問をして印象に残るようにしましょう。イベント後は24時間以内にお礼のメールやSNSへのコメントを送ることが大切です。
信頼される人になるための「小さな約束」戦略
フリーランスの営業では、大きな実績よりも「小さな約束を守ること」の方が重要だったりします。なぜなら、クライアントは「この人に大きな仕事を任せても大丈夫か?」ということを常に心配しているからです。
信頼構築の基本テクニック
①レスポンスの速さ
問い合わせには可能な限り即レスを心がけましょう。詳細な回答ができない場合でも、「確認して改めてご連絡します」という一報を入れるだけで印象が変わります。
②聞く姿勢を大切にする
自分のスキルや実績をアピールするだけでなく、クライアントの課題や要望をしっかり聞き出すことが重要です。
③小さな約束を必ず守る
「資料を送ります」「○日までに返信します」といった小さな約束を必ず守りましょう。これができない人に大きな仕事は任せられません。
④具体的な数字で成果を示す
抽象的な表現ではなく、具体的な数字で成果を示すことで、クライアントにあなたのスキルの価値を明確に伝えられます。
⑤第三者からの推薦を活用する
自分で「優秀です」と言うより、他の人からの推薦文がある方が説得力があります。最近では、taikobaaanのような推薦文管理プラットフォームも登場していて、専用URLをシェアするだけで簡単に推薦文を集められるようになっています。クライアントから見ると、過去の取引先からの生の声があることで、安心して仕事を依頼できるというメリットがあります。
複数のルートを確保して「営業の安定化」を図ろう
成功するフリーランスエンジニアの特徴として、案件獲得のルートを一つに絞らないことが挙げられます。これは、どの職種のフリーランスにも当てはまる重要なポイントです。
案件獲得チャネルの分散戦略
クラウドソーシング
ランサーズやクラウドワークスなど、初心者でも始めやすいプラットフォームです。
フリーランスエージェント
営業活動に時間やリソースをさく必要がないため今持っている案件に集中できる点や、エージェントの交渉力が高いため他の方法と比べて高い単価での案件獲得が期待できるメリットがあります。
直接営業
企業に直接アプローチする方法。手数料がかからず、高単価案件を狙いやすいです。
SNS経由
前述のソーシャルセリングを活用した案件獲得。
知人の紹介
最も確実性の高いルートの一つ。
コミュニティ参加
業界のコミュニティに参加して案件情報を得る方法。
重要なのは、ひとつのルートに依存せず、常に複数の選択肢を持っておくことです。
継続受注の秘訣は「期待値コントロール」
案件を一度獲得すれば終わりではありません。継続的に仕事をもらうためには、クライアントとの関係性を大切にする必要があります。
継続受注のためのポイント
まず大切なのは、素早く丁寧な対応を心がけることです。何か依頼や相談があった時、レスポンスが遅いと「この人は忙しすぎて対応できないのかな?」「次回も同じように待たされるのでは?」という不安を与えてしまいます。
次に、納期の確実な遵守も信頼関係の基盤となります。余裕をもったスケジュールを設定し、「絶対に遅れない」という姿勢を貫きましょう。一度でも納期を守れないと、その後の関係に大きな影響を与えてしまいます。
忘れがちなのが、仕事が終わった後の定期的な連絡です。「お疲れさまでした」で終わらせるのではなく、「次の案件のご予定はいかがですか?」と具体的に打診することで、継続的な関係を築けます。クライアント側も「この人なら安心して継続して仕事を頼める」と感じてくれるでしょう。
最後に、依頼された仕事にプラスアルファの価値を提供することも重要です。例えば、Webサイト制作の依頼であれば、SEO対策のアドバイスを添えたり、運用のコツを教えたりすることで、クライアントの満足度を大幅に高めることができます。
営業で絶対にやってはいけない3つのNG行為
フリーランスの営業でやってはいけないことをお話ししておきます。
NG行為その1:一方的な売り込み
クライアントにニーズがないにもかかわらず、営業する側が一方的に自分のスキルやサービスを売り込んで行くのは避けましょう。こうした一方的な営業をおこなうと、「押し売り」のような印象をクライアントに与えてしまう可能性があります。
NG行為その2:安売りのしすぎ
価格競争に巻き込まれて自分を安売りするのは危険です。一度低すぎる単価で受けてしまうと、適正価格に戻すのが困難になります。
NG行為その3:すぐに諦める
営業は基本的にクライアントのニーズとエンジニアのスキルがマッチした際に受注が発生するため、活動してすぐに効果が出るわけではありません。継続的な活動が重要です。
まとめ
フリーランスの営業は、適切な戦略と継続的な努力によって必ず成果を上げることができます。2025年の今、AIやSNSといった新しいツールを活用した「スマートな営業」が主流になってきています。
重要なのは、自分の強みを明確にし、複数の営業チャネルを活用しながら、クライアントとの信頼関係を構築することです。営業が苦手な人は、まずフリーランスエージェントを活用して実績を積み、徐々に直接営業にチャレンジしていくのも有効な戦略です。
グローバルフリーランスプラットフォーム市場の規模は2025年に83億9000万ドル※に達すると予測されています。デジタル化の進展により、フリーランスの需要は今後も高まっていくでしょう。
この記事で紹介した営業方法を参考に、自分に合ったアプローチを見つけて、2025年を充実したフリーランスライフにしてください。きっと「営業って思っていたより怖くない!」と感じられるはずです。
※参照:https://www.thebusinessresearchcompany.com/report/freelance-platforms-global-market-report